温泉の表情
投稿日:2012年06月27日 / 記事カテゴリー:薬師湯について
温泉は昭和23年に制定された温泉法により、温度や含有成分で泉質名が決まります。
薬師湯の泉質名は「ナトリウムーカルシウム・塩化物泉」です。
温泉は湧出後、空気に触れたり、時間が経過し、含まれている成分によって湯の色が変化し
『表情』が変わります。
薬師湯の源泉は透明です。 ですが湯の花は茶色です。
幸いな事に薬師湯は湯船が源泉脇なので、地下から湧き出したままの状態の源泉が湯船に注ぎ込まれている…といったところでしょうか。
(薬師湯の湯の花染め用に湯の花を採取しており、乾燥させてからふるいにかけて、粉砂糖のようにしています。実物はギャラリーにあります)
一般的には、茶色の方が薬効豊かだと思い込んでいる方々が多いのではないかと思います。
最近の出来事ですが、薬師湯に入湯された有名な温泉博士が薬師湯の湯船を見られ、「久しぶりに源泉の色の湯船を見た・・・・・」と言われた時は嬉しかったでした。
「源泉のままの湯船」つまり「劣化してない温泉」ということです。
湯船を見られただけで、温泉の鮮度が分かる方がおられるというのが、私にとったら驚きであり新鮮でした。 さすが名を馳せた「温泉博士」だと感心した出来事でした。
本当に 温泉って不思議なのです。
時間帯や季節、天候、さらには日差しなどで、同じ湯船・浴室であっても、微妙に違って見えるのです。 それは まるで温泉の 「七変化」を見るようでもあります。
それで私は 良く お客様に「朝と晩と『温泉の表情』が変わるんですよ」とお話をします。
「温泉の表情?」と、首を傾げられる方が多いですが、温泉は生きているとしか思いようがない位で、日々、刻々と変化するのです。
それは薬師湯という温泉に携わっているお蔭で、いろいろな事を学び、気づかされます。
本当に温泉は知れば知るほど、自然の不思議さに感じ入る日々です。
ぜひ 薬師湯で、温泉の様々な『表情』をお楽しみくださいませ。 お待ち申し上げております。