世界遺産に登録された石見銀山。その中でも世界に銀を積み出していた港が温泉津にあります。それが沖泊(おきどまり)です。中世末期(400年前位)は、そこから石見銀山の銀が世界へと積み出され、戦国時代は毛利の水軍基地として、また江戸時代の初期は石見銀山の物資の陸揚げ港、そして江戸中期から明治時代までは北前船の寄港地として栄えてきました。
それで温泉津温泉は銀山を背景とする温泉津港の繁栄と共に、港を利用する多くの湯治客でにぎわってきました。
そのため、近世の初めから問屋、商家、旅籠などの町並みが形成されてきました。今でも当時の面影をあちこちに残しています。だからこそ温泉津は温泉地としては初めて、世界遺産に登録され、また国の重要伝統的建築物群(重伝建:町並み保存)に指定された町なのです。
鉱山があった町が大森、そこから鉱石を牛馬に積んで険しい山道の街道や積出港を含む港町を含んだ広域な地域全体を「石見銀山」とも呼んでいます。温泉津はその銀を世界へ向けて送り出す、重要な積出港として栄えてきました。
温泉津は、やきものの町としても知られています。以前に一度閉じられた釜を復活させ、 2008年秋、やきもの祭りが行われました。