オール5の温泉(1)
投稿日:2012年08月04日 / 記事カテゴリー:薬師湯について
薬師湯は日本温泉協会の天然温泉の第1回目の審査を受け、2005年9月付けで、全項目・最高評価の5で、天然温泉の認定証をいただきました。
当時、最高評価を取得した天然温泉の施設は全国に、僅か10か所しかありませんでした。
それまで日本温泉協会は、丸(数や塗りつぶし等)で表示していましたが、より正確に、また具体的な項目別にサイコロマーク(1~5段階)の表示に変えました。
新しい認定書は、複数の温泉施設で入浴剤を混ぜていたり、水道水を温泉と偽って経営してたという事件があったことなどで、消費者に分かり易い表示形式で掲示するべきと考えたのも一因だったと思います。
ですが、審査を受けるにはかなり経費がかかる事、また今までの丸での表示でベストだった施設が、新方式ではサイコロの数が減ることが予想されれば(申請書類に記入時に想定できる項目があります)、高いお金を出してまでも申請する気に慣れない施設があったとしても不思議ではありません。ですから温泉施設が、この新式の天然温泉の認定書に対して積極的でない状況が続いたこともあり、一般の人たちの間でも、この新式の認定書は認知度が低かったものでした。
当初の頃、一時はお客様の方から「ホテルの星数と同じようなものだね」などと言われたものでした。私どもが「星」と表現したことはありませんでしたが、何故かそのようなお客様のコメントが関係者に伝わり、「星ではないですから気を付けてください」とお叱りを受けたことがありました。
天然温泉の審査を受ける時、書類には毎日栓を抜いて掃除をするかどうかの質問もあります。天然温泉は、源泉の鮮度や源泉からの距離と共に、湯船の清潔度も大切なポイントだという日本温泉協会の趣旨が、今の時代のニーズにあった対応である事が分かります。
湯質を始め、施設の特徴など、あらゆる情報を正確にお客様にお伝えする事は事業者としては当然のことだと思います。
それらは湯質を伝えることもあれば、施設からの眺めの良さが売りだったり、または施設そのものを売りにすることもあると思います。
そのような状況の中で、薬師湯の湯質を証明すべきではないかと天然温泉の審査を受けました。
全国でも限られた数しかない最高評価でしたから、「オール5」という表現で、温泉の特徴を説明をさせていただくことにしました。
幸いな事には、その頃温泉津を含む地域が、石見銀山世界遺産に登録され、かなりの数のテレビ局が番組収録のために来られました。中にはタレントさんを連れてこられる収録が多かったのも幸いでした。
そのような折、東京のテレビ局の旅番組の収録がありました。タレントさんが「オール5の温泉へ行く」と言って、薬師湯を探し訪ねてくるという想定での番組でした。更にはその番組の中心的存在の女性(野際陽子さん)が、番組中、「オール5」と言われていたと聞きました。
残念ながら私はその番組自体を見る機会はなかったのですが、その番組を見たという千葉県の方が、番組終了後30分で家を出て、翌日の朝4時過ぎに薬師湯へ来られました。
その熱意に感動したものです。
薬師湯には「オール5」の温泉に入りたかったとして、来られる方も多いです。
皆様もぜひ、温泉津へ、薬師湯へお出かけくださいません。 お待ち申し上げております。