温泉津の発掘調査
投稿日:2015年09月09日 / 記事カテゴリー:薬師湯について
温泉津の発掘調査についてのお話です。
何の発掘?
何か出てきているの?
幕末から戦国時代の水路が出てきています。
江戸時代の水路の下に、また水路。
その水路の下に、また水路。
まるでお菓子のミルフィユのように、水路が重なっています。
それは幕末から戦国時代のものまで、なんと6段も重なっています。
江戸時代の地層はどちらかというと黄土色。
戦国時代の地層は粘土質で黒っぽく、地質も違うのが良く分かります。
このように何段にも重なった水路は、全国的にも類を見ないそうですから、
温泉津の温泉街は、正に遺構の上を歩いていることになります。
この水路は、大変、貴重な遺構なのですが、下水道工事のための発掘調査ですから、
各段毎に、写真撮影をして、江戸時代や戦国時代の石を取り除き、次の段の水路を出していく方法がとられています。
見事に作られた石組みの水路が取り除かれていく様子を見るのは、
本当に辛いもので、貴重な文化遺産が壊されていく様は、、胸をえぐられるような感じです。
また各層ごとに、食器の破片や埋蔵物が出てきています。
それら食器の破片は各層ごとに異なり、遠くは中国、ベトナムの壺の破片もでてきています。
またお茶が盛んに行われていたことが分かるような、破片も出てきており、
温泉津の賑わいを推察するには十分な、また鉱山の町・大森では出てきてないタイプの数々の埋蔵品が出ています。
現代の我々の生活をが優先されるべきなのか、昔の人々の知恵と努力を後世のために保存すべきか、迷うところかもしれませんが、これぞ本物の歴史であり、遺構、まさにまぎれもない観光資源です。
現在は、温泉街の入口(温泉津湾側のゆうゆう館)付近で作業が進められていますので、
お近くに来られた時は、ぜひ発掘調査の現場をおのぞきください。
作業員(銀山課の埋蔵の専門家)が、懇切に様子を話してくれますので、
タイムトンネルに乗って、その時代に戻るような感じ、また専門家になった気分にしてくれます。
9月11日(金)の午前11時~午後2時まで、現地で説明会が行われますので、お時間のある方は、ぜひお出かけください。
また折角のお越しですから、薬師湯にお入りいただき、温もってください。
夏のエアコンで冷えた身体をそのままにしておくと、これからの季節、
冷え性に悩まされると言われます。
今からしっかりと身体を芯から温めて、寒さに強い身体にしましょう。
皆様のお越しをお待ちしております。