温泉津の魅力(電柱と電線のあやとり)
投稿日:2015年01月12日 / 記事カテゴリー:薬師湯について
温泉津の魅力(電柱と電線のあやとり)•••
温泉津の温泉街は、昔からの自然の地形を活用した道をそのまま継承しています。
道路は作られていないので直線でなく、陽炎のように、ゆらゆら、うねうね、
自然の姿なのです。
ですから蛇行している道に立てられた電信柱と電線は、他所では見る事が出来ない、
引っ張り方で設置されています。
この状態を、薬師湯の入湯客が「電柱と電線のあやとり」と表現されました。
温泉津の温泉街は、全国で唯一、
温泉街として、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に認定されています。
その結果、「石見銀山」という世界遺産登録のための提出書類が揃った、
つまり温泉津が重伝建に指定されなかったら、石見銀山という世界遺産は
実現しなかかったのです。
温泉津の温泉街は、昔からの自然の地形を活用した道をそのまま継承しています。
「見苦しい」とか、「あの電線さえなければ」と思う方が多いようですが、
湯婆婆は、温泉津の人々の知恵と工夫の結晶だと思っていました。
全国各地で起きている電線の地中化に追随するよりは、
他所では見れない様な引き込み方をしている温泉街の電線は保存すべきで、
2〜30年後は、「電線を見るツアー」で、観光資源になると提言していました。
こんな湯婆婆の考えを高揚させてくれるお客様に、昨日お目にかかりました。
若い男性客でしたが、
「温泉街の電柱と電線のあやとりが魅力」と、薬師湯のゲストブックに書かれていました。
「電柱と電線のあやとり」とは、何とも言えない美しい表現だと思われませんか?
どちらかと言えば、「見苦しい」とか「醜い」と決めて見られる温泉街の電線ですが、
これからの時代は、全国的に、電線は地上から姿を消す時代になると予想されますし、
またオール電化が叫ばれる最近だからこそ、大正と昭和の象徴である電柱と電線は
人間社会の遺構として保存する意義があると、湯婆婆は思っています。
温泉津に来られたら、是非、温泉津の温泉街の電線を見つめ直してみてください。
醜い電線としてではなく、「電柱と電線とあやとり」をイメージして、見上げて下さい。
この複雑な地形と状況とで、温泉津の温泉街の電柱の地中化を実現するのは難しく、
中止される事になりました。(良かったです)
薬師湯は、身体の芯から温まりますので、湯冷めはしないと喜ばれています。
寒い時だからこそ、温泉につかって、冷えを解消なさって下さい。
「電柱と電線のあやとり」を見に来られませんか。
皆様のお越しをお待ち申し上げております。